2011年4月8日金曜日

どんどん増える法律・規則

32年間電気設備の設計,管理を通して,様々な法律・規則に接してきた。建築電気設備の設計をするには電気関係だけでなく,建築,空調衛生設備関係の法律・規則も知っていなければならない。専門技術知識よりも法律・規則関係に関する知識の量のほうが多く必要とされるかもしれない。法律・規則を作るのは主に所管省庁の若手官僚・職員である。省庁職員は仕事量が多く専門的考証を重ねなければならない基準値などは外部専門家による委託や委員会によってほとんど決定している。また,最近は一般国民の意見もインターネットを利用してパブリックコメントとして徴募している。技術の進歩や,世の中の変化,問題の顕在化に合わせ新たに法律・規則の制定が必要になるため,年を重ねるにつれ法律・規則は年々増加している。が,一方必要性の無くなった法律・基準というのも数多く存在している。官僚たちは法律を作るのは自分たちの仕事だと踏まえているのだろうけど,現行法律・規則の廃止も任務だとはあまり認識していないようである。一度施行した法律・規則を改廃するということは新たに作るよりずっと手間のかかることである。残念ながら省庁の経費削減に結びつかない法律・規則の改廃にあえて手をつけようとする役人は,まずいない。結局,現場で許認可・検査を行なう役人は法律・規則がある以上それを守るよう指示するしかないのだ。仕事をしていく中で「何でこんな無意味なことを守らなければならないんだろう」と思うことは,しばしば遭遇する。そういうことが増えていくと法律・規則全体の信頼性が薄らいでゆくと思うのだが。

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