2011年3月28日月曜日

エコな・・・のエコはエコノミックのエコ

エコという言葉がつくと,環境に配慮した,環境に負担をかけないという意味になるということがすっかり定着しているのかと思う。しかし,穿った見方をしていくと本当に環境のために良いというものは,私の経験上ほとんどお目にかからない。ほとんどは消費者の購買意欲を刺激し,付加価値にそれ以上の対価を乗せ,売り手の利潤を増やすためのものでしかない。
いまやテレビといえば液晶テレビを指すくらいにブラウン管,プラズマディスプレイは駆逐されてしまったが,液晶テレビはエコなのか?ということに突っ込んでみる。
まだ,液晶テレビが普及していない京都議定書の基準年に当たる1990年家庭の平均的なテレビはというと,ブラウン管25型(画面縦横比4:5)くらいかと思う。これを液晶テレビに買い換えたとき,ハイビジョンの画面縦横比で,買い換えても画面を小さく感じさせないためには縦寸法を維持しするとする。そうすると,ブラウン管テレビから液晶テレビに変えたとき次のようになる。

ブラウン管テレビ 25インチ 画面縦横比4:5 消費電力120W/h
液晶テレビ 32インチ 画面縦横比9:16 消費電力135W
(パナソニック電工 取扱説明書より)

消費電力は15W増加しているのである。消費電力を参照した機種はパナソニック電工 TH-245FB6(ブラウン管テレビ),TH-32LX80(液晶テレビ)である。
確かに画面面積を基準にすると液晶テレビはブラウン管テレビよりも消費電力は少ない。面積基準で消費電力を計算すると液晶テレビはブラウン管テレビの70%の消費電力である。しかし,一般の家庭ではもっと大きい液晶テレビを使用していると思う。特に昨年液晶テレビを買われたかたはエコポイントを利用し,予算よりも大きいテレビを買われたかたが多いと思う。
これと同じことが,冷蔵庫でもおきており,家庭ではエコ家電に買い換えたのに消費電力は増加していくということが続いているのである。エコポイントはそれに追い打ちをかけていたのである。
エコポイントで家電の販売が促進され,メーカーの売上は伸び,消費電力は増加し,増加したCO2排出量をお金を払って外国に振り替え・・・。何も環境に良いことになっていない。
こうした矛盾を政府は推進しているのである。

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