2012年5月14日月曜日

夏場の電力対策

原発が全て止った今年の夏の電力不足に関するニュースが連日新聞・テレビで報道されているが,どうも政府と電力会社はオオカミ少年ではないかと思うのである。政府と電力会社は原発再稼働の国民的合意を得る状況をお膳立てするために,本来は水力・揚水発電所や休止火力を総稼働させて対応できる数字を隠しているのではないかと思う。単純に一昨年までの発電電力量の実績を見れば全国では原子力発電が4割近くを占めており,発電電力量の4割が停止すれば大事態だがである。しかし,一度運転すると出力調整が困難な原子力発電は常に定格出力近くで運転し続けなければならない。電力会社では事故による緊急停止の事態を考え,原子力分の予備発電は保持しているのである。懐の中を明かさないで足りないと言っているのだ。電力不足と言ってもピーク時の電力使用量を下げればしのげるわけで24時間中不足することではない。一番効果があるのは製造業の操業時間のシフトであるが,これに協力してくれる会社を極力募るしかないだろう。今年も輪番停電を行うみたいだけど,停電で発する損害のことを考えると輪番停電は最終手段だと思うのだが,昨年お東京電力の実施した輪番停電で先例作ったものだから,どうも安易に実施できる風潮になってしまった感がする。

5月に北海道でクールビズの愚行

連休明けの先週,道庁でクールビズ開始のニュースをテレビで放送していた。この日,5月7日の札幌の最高気温は15.5℃。その後,8日火曜日は最高気温が19.9℃になったものの,水曜日以降は15℃に至らず,クールビズどころか,暖房が必要な日が続いた。きょう,14日月曜日の朝のニュースでは北見市でクールビズ開始と放送していて開いた口が塞がらない。きのう,北見周辺では雪が降っていたというのに。私も長いこと電気設備の管理をしていて,国のエネルギー施策が通産省主体の省エネ対策から環境省主体の環境対策にスライドしていく中で,おかしな方向に進んでいったことを感じていたが,もうなんでもありの感がする。実施する側が環境対策だと言えば何でも環境対策としてまかり通るらしい。上記のニュースはNHKで見たのだが,今のNHKは民間放送以下だと思う。まだ,民放のワイドショーなら,コメンテーターから「実際に効果があるものなでしょうか?」くらいの発言はあると思うのだがNHKは,このおかしなクールビズをタレ流しである。「皆様のNHK」というが,その皆様に自分が含まれていると思う国民はどのくらい居るのだろうか。私はNHKの考えている皆様には含まれていないと思うが,受信料はむしり取られている。

2012年4月1日日曜日

ガラパゴス化は駄目なのか?

「ガラケー」という単語を見た時,何のことやらさっぱり分からなかった。その後,ガラパゴスという言葉が孤立という意味で使われていることを知った。日本の携帯電話機が世界標準とは異なる独自の仕組みになっていることを皮肉って「ガラパゴス携帯→ガラケー」ということだった。携帯の場合は敢えて外国の方式(携帯電話機と通信会社が分離している)を取らなかったのだろうが,日本が開発した方式が良いものであっても世界がそれを採用するのに拒んだ例は多い。最近では高品位テレビ(HDTV)であろうか。未だに国内ではハイビジョンと言っているが英語では通じない。high Definision TVである。NHKがアナログ時代より開発してきたハイビジョンをデジタル化し世界標準規格にしようと提唱したがほとんどの国が採用を拒んだ。発表した時点では即実用できる唯一の方式だったと記憶している。この他にも日本が先進的に開発したものを拒否し,敢えて他の方式を採用するという例は幾つもある。高度成長以来,日本から世界に向けて提案されても警戒され受け入れられないというのが流れのようである。世界に向けてなどと言わずに国内向けに作ったもののほうがじわりと外国に受け入れられていく傾向があるといえるだろう。
全米自動車協会だかがTPPに先んじて日本の軽自動車とう規格を撤廃するよう口を出してきたそうだが,何をか言わんやである。こんなことを言うところを見ると軽自動車に危機感を感じているのだろう。私の見るところ現在カブやスクータータイプの小型バイクが蔓延している東南アジアは今後日本の軽自動車クラスの四輪車に移行していくだろう。今後,タイやベトナムでは軽自動車のコピーが生産されるようになる。表立って世界に向けてなどと見栄を切って作るものよりも国内向けにニッチに作った物のほうが外国,特にアジア諸国では受け入れられると思うのだが。マンガやアニメ,日本食もそうである。政府がからんでゴリ押しするものは受け入れられないのだ。米国も政治力を使って車を押し付けたのにさっぱりだったのが記憶にないのか?何やっても売れないので因縁だけつけてきているように感じる。日本は下手にグローバル化しないほうが良い。でも亡国政治家と官僚たちが外国のことばかりヘイコラ聞いているようで不安だ。

2012年3月12日月曜日

震災から1年


日本が近代になってから最大の震災から1年経った。国民の大多数はは,この一年間歯がゆい思いで過ごしてきた。被災地の復旧が思うように進まないことも大きな不満の一つだが,私は次の震災が発生した時に今回の経験と反省が繁栄されるのかという懸念が払拭できない。形骸化した国や自治体の災害対策とコスト重視の東電が災害被害を拡大したことの反省が充分にされているとは思えない。検証作業も記録の不備や証言拒否で真実を詳らかにするまで至らない様子である。福島原発事故については,何故,検察庁が国と東京電力を起訴しないのか不思議である。裁判に持ち込んでも事実を語らないのは目に見えているが,このままでは,うやむやの内に責任を取らなければならない人間たちが逃げ抜けてしまうと思うのだが。
第二次世界大戦の敗戦から復興し奇跡の経済発展を遂げた日本が得たものは,拝金主義と無責任体質に染まった政治家,官僚,経営者,マスコミでしかない。災害に遭いながらも,自己よりも家族,老人,子供,周りの人たちの安寧を気遣う市井の人々こそ日本人としての矜持を持った尊敬すべき方々であり,良識ある日本人の矜持を持っていない無責任エリート達は日本人であってほしくない。
海外の人間から見れば日本という国は,一般国民は尊敬できるが,指導者層がダメダメの不思議な国に見えるだろう。震災はそういう印象を顕著にしたに違いない。

2012年1月24日火曜日

事故の分析と教訓

大きな災害が起きたあと通常は管轄省庁が事故報告書を作成するものであるが,今の政治状況では福島の原発事故において正確な事故報告書が作成される見込みは無いようである。先日,事故当日の首相官邸,原子力保安院における会議議事録が作成されていないというニュースが発表されていたが誰が見ても意図的に作成しなかったと思うであろう。何故か。私は起訴されたときに過失を問われる証拠を残さないために違いないと考える。当時官房長官だった枝野幸男は弁護士である。もしかしたら作成されたが処分したとも考えられる。先のことを考え,手を打ったことは充分考えられる。
福島原発事故の経緯が正確に記録・公表されないため,今後,有効な事故対策を講じることができなくなり,稼働中の原発が,また地震で事故を起こす懸念を残すことになる。
米国の航空機事故調査では過失を不問にする代りに事実を証言する取引制度があるが,日本の裁判の場合,事実を述べると被告の有罪証拠となる場合「覚えていません。忘れました。」などと答弁し,事実が裁判で詳らかにならない場合が殆どである。先日のJR西日本福知山線事故の元社長の過失責任を問う裁判においても事故に至るまでに事故を防ぐ手立てはいくつもあったと思うのだが,「あのとき私がこう指示していたら事故は防げた」などという発言は裁判に於いて出てこないのである。
政治家,官僚,企業により事実は隠され,また地震事故で放射性物質を撒き散らす懸念のある原子炉を焚き続けるのである。
政治家,官僚,マスコミが結託したら独裁国家の出来上がりである。

2012年1月16日月曜日

平成24年の行方(1)

平成23年は,震災,原発事故,台風洪水と国内においては自然災害の多い年だった。加え,世界的金融不安など不安要素を持ち越して平成24年が始まった。早々イランのホルムズ海峡封鎖など石油供給の不安が高まっている。このような中,国のエネルギー計画の転換は進んでいないようである。再生可能エネルギーなど,地球温暖化論に基づくエネルギー政策は,いずれ失敗が明るみになるのだが,今のところ政府,マスコミ,企業も再生可能エネルギーの不都合な点はひた隠しにしている。今のところ再生可能エネルギーの普及が原発廃止の代換,地球温暖化防止に対応できる唯一のエネルギー源であるかのような扱いである。私から見れば電力消費に発電量を合わせることのできない発電方式は落第なのであるが再生可能エネルギーの不都合な真実を覆い隠すのがCO2地球温暖化論である。かつて米国副大統領,民主党大統領候補だったアル・ゴアが出演した映画「不都合な真実」の不都合な真実とは地球温暖化論の虚構がバレることではないのかと邪推したくなる。あれでノーベル平和賞をもらえるのだからノーベル平和賞に関してはイグ・ノーベル賞のほうがずっとまともに思える(他にも不可思議なノーベル平和賞受賞者は多いが)。
ともあれ,今後の国の電力エネルギー政策はCO2排出削減など放棄して供給・価格の安定化を第一目標にすべきである。そのためには
●運転不可能となる原発の代換発電を早急に立ち上げること。
●再生可能エネルギーの普及は水力発電を第一に行うこと。
●今後不足・価格上昇が見込まれる石油の及び停止する原子力の代換は石炭・天然ガスを第一に行うこと。
が必要である。これが進まないと今年の夏から深刻な電力不足に陥るだろう。
原子力を廃止し,太陽光・風力など再生可能エネルギーで電力を賄うなどファンタジーワールドに住んでいるのか?と言いたくなる。