2011年8月1日月曜日

経済とエネルギー(1)

経済は,お金が動くことであり,お金が動けば比例してエネルギー消費量も増える。故に景気が上昇し,かつ,エネルギー消費を減らすことは出来ない。この矛盾を埋めるトリックが炭酸ガスが温暖化原因という仮説を世界規模で流布し,原発の推進を各国政府は行って来た。また,カーボントレードやカーボンオフセットという架空取引も行われてきたのである。
しかし,福島の原発事故による原子力発電へのブレーキと米国,欧州の経済不安による自由資本主義経済の行き詰まりにより,近未来予測は非常に不安なものとなってきた。世界規模の経済・エネルギー問題を解決できる理論の確立には,まだ時間がかかるようである。先進国のようなエネルギー消費社会を,新興国,発展途上国は享受できないことは確かだ。中共,インドなどは自国の将来像をどのように描いているのだろう?。ある意味,中共は正直というか,近未来に自国にとって何が必要か理解し,行動している。なりふり構わない海洋進出もその一つである。多民族・多宗教を抱えながら,近代化,経済自由化と共に共産主義政権を維持するには,国民に与える食料・エネルギー維持が必須であると指導層は理解している。但し,中華思想には世界全体の共栄という考えは無いのだろう。自国が良ければ他国は,どうなっても良いと考えているとしか思えない。
米国は今後,どうみても衰退して行くだろう。私は以前から米国が自国経済を維持して行けるのが不思議だったのだが,とうとう行き詰まりが見えてきたようである。日本は米国が破綻するのを見て反面教師として修正出来るだろうか。今のままでは米国の衰退とともに中共に飲み込まれていってしまうのではないかと思う。製造業がどんどん中共に奪われ,製造業が空洞化してしまっては科学技術立国日本もあったものではない。
現在日本が抱えている様々な問題を処理し,とりあえず,21世紀を乗り越える思想・行程表というものを政治家は国民に提示することが必要なのだ。しかし,このままだと原発廃止・再生可能エネルギー導入で国内のエネルギーコストは上昇し,消費税率アップが加われば国内経済は低迷し,国家財政は悪化し,国家破綻を招くだろう。
他国から,エネルギー源,資源を輸入し,加工し工夫を重ね製品を作り輸出することで成り立ってきた日本の立国原理が崩壊してゆくことを促進する政策が今行われているのである。

再生可能エネルギーバブル

独立行政法人 産業技術総合研究所の中西先生が原発,再生可能エネルギーについてブログで書かれていたのでリンク先を紹介する。

http://homepage3.nifty.com/junko-nakanishi/zak551_555.html#zakkan555

中西先生のブログを閲覧するようになってから,もう何年経つだろう,10年以上であるのは間違いないが,年数を経ても学者としての誠実性・中立性は揺るがず立派なかただと思う。本来,学者研究者とはこうあるべきと思うのだが,変節した学者たちがあまりにも幅をきかしているのでテレビばかりを見ていると,「学者なんてロクなやつがいないな」と思ってしまうのである。私は,まともな学者・研究者は結構居ると思っているのだが,政府や大企業,マスコミの反発をくらう真実を発言すると様々な圧力を受けるので口をつぐんでいるのだと考えている。
今は,再生可能エネルギーをもてはやしているのだが,私は太陽光発電や風力発電を再生可能エネルギーと呼ぶこと自体不適切だと思うのだが,国民にはコストゼロで電力を産み出す魔法のエネルギー源のような印象を政府・企業・マスコミで宣伝している。
風力・太陽光にせよかなりトラブルが発生していると思うのだが,そのような事実・統計はほとんど発表されていない。再生可能エネルギーバブルで金儲けすることで手を組んだ政府・企業・マスコミは,不都合な真実を国民に知らせることはしないだろう。