2012年3月12日月曜日

震災から1年


日本が近代になってから最大の震災から1年経った。国民の大多数はは,この一年間歯がゆい思いで過ごしてきた。被災地の復旧が思うように進まないことも大きな不満の一つだが,私は次の震災が発生した時に今回の経験と反省が繁栄されるのかという懸念が払拭できない。形骸化した国や自治体の災害対策とコスト重視の東電が災害被害を拡大したことの反省が充分にされているとは思えない。検証作業も記録の不備や証言拒否で真実を詳らかにするまで至らない様子である。福島原発事故については,何故,検察庁が国と東京電力を起訴しないのか不思議である。裁判に持ち込んでも事実を語らないのは目に見えているが,このままでは,うやむやの内に責任を取らなければならない人間たちが逃げ抜けてしまうと思うのだが。
第二次世界大戦の敗戦から復興し奇跡の経済発展を遂げた日本が得たものは,拝金主義と無責任体質に染まった政治家,官僚,経営者,マスコミでしかない。災害に遭いながらも,自己よりも家族,老人,子供,周りの人たちの安寧を気遣う市井の人々こそ日本人としての矜持を持った尊敬すべき方々であり,良識ある日本人の矜持を持っていない無責任エリート達は日本人であってほしくない。
海外の人間から見れば日本という国は,一般国民は尊敬できるが,指導者層がダメダメの不思議な国に見えるだろう。震災はそういう印象を顕著にしたに違いない。